毎日 少しずつ
身体が朽ちてゆくのを 感じるのが
つらいから
わたしの意識を
ちいさな卵の中に
閉じ込めて
目に映る景色が 変わっていって
過去の景色の中に ひとり
取り残されるのは
かなしいから
わたしの 記憶を
ちいさな卵の中に
閉じ込めて
目の前のひとが
いつか わたしを忘れてしまうことが
こわいから
わたしの 思い出を
ちいさな卵の中に
閉じ込めて
今まで 生きた証が
すべて消えてしまっても
かまわないから
からっぽになった わたしは
何食わぬ顔して
明日も生きてゆくの
明後日も 明々後日も
からっぽのまま
生きてゆくの
意識と記憶と思い出と
それらが詰まった ちいさな卵は
わたしが
朽ち果ててしまった後も
しばらく 何処かを 漂流していて
そして また 生まれてくるの
それは もう わたしではなくて
でも ほんの隅っこに
わたしの ちいさなカケラが
残っている
「コンニチハ」って
by rain_fields
| 2004-11-23 01:11
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